IT化プロジェクトで私が気をつけている事(入力編)
東京で開発に関わっていた時と今の開発との大きな違いは、対象となるアプリのサイズと私自身の立ち位置です。
東京にいた頃は、SIベンダーのメンバーとして働いており、そもそもリーダー的なポジションにいたため、直接お客様とのシステムの仕様についてお話をすることがあまりありませんでした。ですので、対象となるシステムの仕様については、割と機械的に文書を読み、担当者に聞いて理解するという態度でいました。
今は私一人でお客様と仕様を決め、開発から導入、実際の使用までを担当しています。この全工程にわたる関与により、プロジェクトは小規模でも、私の責任は大きくなっています。この役割は、以前よりもストレスが少なく、より充実しています。
理由はそもそもお客様の考え方や開発に対しての意識が自分に近い事、そして自分1人で最初から最後までお客様に対応ができる事です。
IT化プロジェクトで特に私が気をつけているのは「入力作業」です。
以前にお話ししましたが、私の使う道具はExcel、kintone(注1)、dropbox(注2)等比較的よく使用されていて、安価、且つクラウド環境にも対応するようなものですが、それと共に大事なのは「今どういう流れで入出力がされているか」をしっかりと認識することです。
実際に出来上がったシステムを使用するお客様はその性格上、比較的高齢のユーザーが多く、あまりに入出力が変わると使い方がよく分からないとか、面倒だということになり新しいシステムを使用する意欲が無くなってしまう事もあります。
IT化が進む中で、システムが使いにくくなったり、手間が増えたりする原因の多くは、入力作業にあると私は考えています。
ですので、そのような結果をできるだけ避けたいわけですが…
そのために入力を今までより容易にするためには、やはり「日本語文章の入力を少なくする」が基本だと思っています。
これを実現するために私がとる手段は以下の通りです。
- 単純に今書いている内容を、「選べる」ようにする。(メニュー方式)
- マスターファイルを作成し、コード1つ入力すれば関連情報が自動的に入力される。
- 専門用語で長くて覚えにくい物(例:薬品名等)は、リストに出し、チェックすることで、入力欄にコピーする機能を持たせる。
- 長い文章の入力が必要な場合、その文章構成を考えいくつかのパートに分け、さらにその中で定型句があれば、それを選べるようにする。
- 長い文章の入力が必要な場合、内容についてある程度のパターン分けができる場合、そのひな形の文章を用意し、それを選びそこにコメントを付け加えるスタイルにする。
- システム間でデータを渡さないといけない時、出力側のデータをプログラムで処理し、入力側のフォーマットに変換し、export/importでデータ入力が簡単にできるようにする。
- システム間でデータを渡さないといけない場合、渡す文章あるいはコードをQRコード、バーコードで表示させ、バーコード・リーダーで送り先のシステムの入力域にコピーする。
- システム間でデータの受け渡しが必要な時で、入力両側でRestAPIのようなデータ交換の仕組みを持っている場合、そのAPIを使ってデータ受け渡しをシステム間で出来るようにする。
私が目指すシステムは、「一回入力したらOK」で、しかも「入力が今より便利」なものです。もちろん、そのためには開発は常に対象となるお客様とお話ししながら進めることになります。
このように私のテーマは、「IT化でいかにデータ入力を軽くするか」ですので、常にここには気を使っているつもりです。
- kintone (https://kintone.cybozu.co.jp/)
クラウド環境で稼働するノーコードのアプリケーション開発ツール
- dropbox (https://www.dropbox.com/)
オンラインストレージ、バックアップや他社とのファイル共有に便利
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