ビジネス開始2年後気づいたこと
私が提供するITサービスとは、大きくは以下の2つです。
1.病院・クリニックにおける全ての業務を対象とした業務の電子化
(ソフトウェア・パッケージの導入およびカストマイズ、アプリケーション開発)
2.病院・クリニックにおける色々なデータの可視化(Tableauによるデータのグラフ化)
そして私が支援すべきお客様によくある環境、制約条件は以下の通りです。
1.医療はとにかくお金がかかる。同じ椅子でも病院で使用となるとなぜか値段が跳ね上がったりします。なので、できるだけIT投資額は押さえたい。
2.地方病院の場合、都会と比べさらに人手不足感が顕著です。なので、IT化により今まで紙でやり取りをしていた業務が、PC、タブレット(またはスマホ)の画面の操作をひつようとされますが、可能な限り操作の変更による職員さんへのストレスを最小限にしてほしい。
3.2番目の理由で、スタッフの皆様は結構お忙しいです。特に医療スタッフの方は普段は「医療」の仕事に忙殺されていて、IT化された業務習得に割ける時間がそれほどありません。なので、できるだけ導入をスムーズにして欲しい。
4.3と同様なのですが、元々ITに詳しいスタッフがいる方が稀なので、(PCや特定のソフトウェアパッケージに精通していらっしゃる方はいますが)業務の電子化という最初から導入・運用までを計画・企画・実施できる方はあまりいらっしゃいません。
なので、最初から最後まできっちり面倒を見て欲しい。
平たく言うと、私は自分をPM+エンジニアとして考えています。PMとしては、病院経営者の方とお話しし、予算等のご理解をいただき、職員の方々のスケジュールを抑えていただく等の活動をし…
エンジニアとしては、エンドユーザーの方とお話しして、システムの画面、使い勝手等を決め、お約束した仕組みを構築し、導入後の操作フォローを行うところまでサポートさせていただきます。
私が大事にしていることは、当たり前ですが「使ってもらえるシステム」を構築することです。
そして「使ってもらえる」ということは、実際にそのシステムを使う事に、メリット(前より簡単、楽)を感じてもらう必要があります。
もともと病院の医療現場で紙のフォームに色々な記録を記載しているのを見て、kintoneでの電子化を思いついたわけですが、その後単にkintoneで「業務を電子化しましょう」と言っていた自分の浅はかさが少し恥ずかしくなりました。
これは、「kintoneでは業務の電子化ができない」という意味ではありません。ただ、お客様に使ってもらうシステムを構築するために、さらに(かなりの)努力が必要であることを理解しました。
病院に限らず、多分業務において最も生産的でなく、且つ時間のかかるのは「データ入力」ではないでしょうか?
そしてある時から、「データの入力の効率化」こそが自分の仕事の大きなテーマではないかと思うようになりました。
以下がこの2年で関わったデータ入力効率化についての主な経験です。
- マスターファイルを利用したコピー
- インポートファイルを自動で作っての一括入力
- バーコード、QRコードを表示させてバーコードリーダーで他のシステムへコピペ
- 入力文字列を複数用意し、QRコードリーダーからの複数欄への一括入力
- プログラムによるデータを整形して作成するインポートデータ
- JavaScriptによるkintone画面操作性の向上…
- Kintoneに限らず、「ノーコード」ソリューションによるデータ入力メニュー作成
- PowerAutomateのような自動化ツールでの自動入力
等々
これらのテクニックを組み合わせて、入力の手間を省きつつ入力ミスを減らす仕組みを考える。
そして入力するデータの内容・種類、そして必要とされる最終形に応じて入力画面・入力方法を考える…
このようなことが最近の私の最も重要なテーマとなっています。