ITエンジニアのキャリアについて考える(妄想する?)

元々はプロトタイプができると思い、kintoneでのアプリ開発を思い立ったのですが、約半年ほど前から、kintone以外にも世の中にノーコードソリューションという、いわゆるプログラム言語を使わないネット上の開発環境が、複数広まりつつあるのを知りました。

また、デスクトップ上でデータを加工するため、VisualBasicを使ってデータの整形を行っていたのですが、PowerQuery、PowerAutomateといったプログラムを使用しない業務の効率化を図るツールが世の中に出始めているのを知りました。

PowerQuery、PowerAutomateは言わずと知れたマイクロソフト社の製品です。

このような超ビッグIT企業がこのような製品を出すという事は、間違いなく世の中のアプリの開発、あるいは業務の自動化のギアが上がったのだと感じています。

この事は、IT開発を生業にする側から見ると、「IT技術者もその開発力のギアを上げることが出来る」ことになったと感じています。

ご存じの通り、アプリというかソフトウェアには決まった形などありません。なので開発の最初には、まずその開発の範囲を決めるわけです。

今までは、最初の要件をお客様が指定し、それを開発会社側が形にしていくのが普通の形でした。

もちろん、開発ツールのギアの上がった世界でもそれは基本変わらないと思いますが、

新しい世界では、開発の速度が段違いになるのではないかと感じています。

もし開発チーム側がこのようなツールを駆使して、お客様の要求がそれほどまとまっていなくても、かなりのスピードでプロトタイプを作ることが出来るとすれば…

このような世界では、「ビジネス開発エンジニア」という職種が生まれるのでは、と私は考えています。このビジネス開発エンジニアの仕事を想像してみました。

お客様はわざわざ要求を仕様書に書かなくても、ビジネス開発エンジニアと会話し、現行の画面や帳票を見せるだけで、その要求を盛り込んだシステムのプロトタイプができてしまうのです。

お客様はそれを見て、そこで湧いてくるインスピレーションや、疑問をビジネス開発エンジニアに投げかけます。

それに対しビジネス開発エンジニアはさらにプロトタイプを改善してお客様に見せる。

これを重ねることで、今までとは段違いの速度、コストでアプリが作れるのです。

ここでは、基本システムのRFP(Request for Proposal(提案用仕様)、要件定義のような文章でのシステムの動作の記述は不要となるのです。

そして実際の画面や帳票がそのまま対象システムの仕様となるのです。

しかもこの「仕様書」は実際に動くので、より具体的です。仕様書となる文書も不要なので開発の速度も大幅にアップします。

その仕事は多分、今までいわゆるコンサルタント会社が請け負っていたビジネスの上流というか、さらにその前のビジネス戦略の分野までカバーするのではないかと感じています。

この業務がもたらす最大のメリットは「スピード」だと思います。

いかがでしょうか?あなたは「ありえない」と思いますか?

突然で恐縮ですが、私は結構長い事(約50年)テニスをしています。中学生で始めた時、ラケットは木で出来ていて重くて、振るのさえしんどかったことを覚えています。

ところが今は、ラケットの素材も変わり、以前と比べ50グラムくらい軽くなり、しかもラケットそのものの反発力は増しています。

そうなるとどうなるか?テニスプレーヤーは昔と比べフォームそのものをあまり気にせず、「走りまくってスピンをかけて、思い切りボールをぶったたく」ようになりました。

その結果テニスプレーヤーには、昔よりも格段の身体能力が要求されます。

コンピュータの世界もそれと同じことが言えるのではないでしょうか?

開発ツールが良くなり、開発におけるプログラミング能力の比重は軽くなり、代わりに開発者にはいかに業務担当者の意図を組み、新しい仕組みを考え具現化する能力が必要とされるようになるのではないでしょうか?

私はITエンジニアのキャリアとして、ノーコードソリューションをベースとするビジネス開発スキルという(名前がどうなるかもちろん分かりませんが…)ポジションができると確信しています。

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