システムズ・エンジニアのキャリアについて考える(第3回)
前回まで、私が働き始めてから自分の会社を始めるまでの経緯を書きました。
ここで、あらためてなぜ私が60を過ぎて自分の会社を始める決断をしたかまとめてみたいと思います。
直接の原因は「月額定額契約」でのお客様の獲得ですが、私がそのような行動をとった背景には4つの事があります。
1.健康であること
すいません。あまりにも平凡で…。でもこれは本当に大事で特に年を取ると実感します。私は12歳の時に始めたテニスのおかげで、運動習慣が身についていてそのせいか働きだしても多分普通の人よりはかなり運動することに時間を費やしました。
そのせいかどうかは分かりませんが、幸運なことに私は特に体をこわすことも、鬱になることも無く働き続けることができました。
60近くになり、自問自答して「身体的にも思考能力もまだ行ける」と感じた事が、今の自分の始まりだと思っています。
2.自分のお客様を見つける
どんなにあなたの技術力が高くても、お客様が居なければ腕を振るいようがありません。あなたはその技術を生かしてどんな会社、経営者を助けたいのか?
高知に帰って色々考える時間、周りを見渡す時間が増えた私は、自分が働く職場、お客様の職場であまりにも手作業が多いと感じました。その一方で典型的な地方都市の高知市そして高知県は人口減少が進んでいます。
また、病院はその地域を支える重要な施設です。そして地方の病院はほとんどが人手不足状態です。さらに病院業務では私のみるところやはり「手作業」が多い…
このような状況に、「自分の持てる力で地方を支えることに貢献したい」と強く思いました。
その時は自分のお客様を見つけるという意識は無かったのですが、後から考えるとそれは自分のお客様候補を見つけた瞬間ではなかったかと思います。
3.テクノロジーの進歩に気づいたこと
私が高知に帰ってきたのが2013年10月です。当時の私の持てるITの経験と言えば、基本大規模システムの一部を担当するSEが持つありふれたものでした。
高知の職場で働きだして最初は、売上のレポートをもっと簡単に作るとか、取引先に提出するレポート作成を簡単にするというところから出発しました。
そしてすぐに自分の持っている技術力では足らなくなり、その時その時で対応可能な製品をさがしました。実際に探すと色々なツールがあることを知りました。
それらのツールに共通するのは、インターネット上で動き、安価で使い易いことでした。これらを既にあるパッケージと組み合わせる、または既にある仕組みと組み合わせることで中小企業のレベルであれば、かなりの部分が省力化できると確信しました。
4.マーケティングの重要性を理解したこと
私は2013年に高知に戻るまで、マーケティングについては全くの素人でした。まあ今もほぼ素人ですが…。それでも私のような技術ばかりやってきた人間が、新しく自分の会社を始める時、最初に困る事が1件目のお客様の獲得だと思います。
私の場合、ちょっとした興味からマーケティングの本を読むようになり、そこから得た知識を自分のケースに応用し、最初のお客様の成約に結び付けることができました。
いかがでしょうか。私の場合この4つが私のシステムズ・エンジニアのキャリアを続けることを後押ししてくれたと考えていますが、あなたに申し上げたいのは地方には沢山のあなたの見込み客がいるという事です。
私は、「自分は運が良い」と思っていますが、その理由は自分の意識と会うお客様と一緒に仕事ができ、毎日前向きに仕事に取り組めているからです。
もしあなたがIT業界で働いていて、「忙しすぎてやってられない」と思うのであれば、このようなキャリアを考えてみてはいかがでしょうか?
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