IT化プロジェクトで私が気をつけている事(出力編)
*プロトタイプの使用
システムを構築する時に、どのような出力をさせるかはとても重要なことで、私はIT化を行う際には、必ずプロトタイプを使ってお客様のご希望の具体的なイメージを確認するようにしています。
私の場合ゼロからシステムを構築する場合、基本kintoneをお勧めしていますが、お客様が最初からパッケージや開発のためのツールを指定されることもあります。
そこで大事なのがやはり「プロトタイプ」です。最初にダミーの小さなデータを作成し、
それを使って実際の出力画面を作成して、お客様の感触を探ります。
それらをご提案する時に気をつけているのが、「いくつかの代案を用意する」です。
例えば、お客様がそれまでEXCELの帳票を使っていて、新しいシステムを導入する時、新しいシステムの機能で出力を期待されるのは当然ですが、「EXCELで出した方が分かりやすいんじゃない?」と思われる時等、再度お客様にEXCELでの出力を確認します。
*色々なツールで出力させてみる
基本私のご提案するシステムはブラウザで動くものをご提案するわけですが、入力用の画面レイアウトとしてはお客様の要件をクリアしても、「出力画面をどうするか?」です。
例えばkintoneを使ってシステム構築する時、入力用の画面はkintoneでOKだったとしても、結果のレポートをkintoneのオリジナル機能が提供するレポートですんなりOKしていただけることは、正直少ないです。
それで、kintoneのオリジナルの機能では難しいと判断した時に、色々なツールを使ってなるべく操作が中断されないシームレスに出力を行う仕組みを考える必要があります。
もちろん、出力用の仕組みもブラウザ上で動くもので構築するようにしています。
今kintoneを例に挙げていますが、重要なのはお客様が意図する出力結果を入力画面から、なるべく簡単に得られる「使いやすさ・見やすさ」こそが重要だと考えています。
なので、私の場合「入力と出力をどうつなげるか?」に時間をかけることが多くなります。
*出力専用にBIツールを使用した例
これはもう5年くらい前になりますが、細木病院様の人事システムの開発をさせていただいた時のお話しです。
その時は入力画面の仕組みはFileMakerで作成することとなりました。Web版ではなく、PCにインストールしC/Sの構成で動くシステムでした。
人事システムですので、各職員の情報を出力するだけでなく、色々な条件でのレポートの出力を求められました。約10種類ほどあったと記憶しています。
Filemakerは開発ツールで、もちろん帳票の作成機能を持っています。
しかしその時私は、Tableauでのレポート出力をご提案し、実際に開発に入る前に、全てのレポートについてTableauでレポートを作成し、それをお客様にお見せし、Tableau使用の許可を頂きました。
なぜTableauをご提案したかと言うと、2つあります。
1つは、「将来新しいレポートが必要になっても、そのロジックを加えるために、Filemakerで開発をすることなく追加することができる」と考えたからです。
2つ目は、その当時私自身のTableauのスキルがFileMakerのスキルよりもはるかに上回っていたためです。
その人事システムは、「こういうレポートが欲しい」という条件を画面から指定し、その条件に合致するデータを決まったフォルダ、決まったファイル名のCSVを書き出す仕組みでした。
一方で、Tableau側は、起動時にそのCSVファイルを読むよう設定しておき、立ち上がれば指定した最新の内容のデータを使った表やグラフを出力する仕組みでした。
このシステムは予定の約半月遅れで運用に入りましたが、個人的にはTableauにすることで、その部分のコード開発は一切なく、開発効率をずいぶん上げてくれたと感じています。
*入力と出力をベストな組み合わせのツールで構築する
私はずっとこの業界にいて、開発プロジェクトにも何年も関わっていて、高知に帰ってきて自分一人で開発そのものを手掛けるようになった結果…
「開発とは入力と出力をつなぐものなのだ」と気づきました。(正直今更間抜けだと自分でも思います)
そして、「1つのツールで入出力をさせないといけない理由などない」と思うようになりました。
簡単に入力ができ、思った通りの(にかなり近い?)出力をしてくれるシステム(ユーザーの方から見れば当たり前ですが)というのはとてもシンプルだと思いますが、毎回色々なチャレンジの場を与えてくれます。
*新しい環境・ツールへの勉強を怠らない
そして、時代もまたこのような要望に追いついてくるようになったと感じています。
ここ数年とても色々なクラウド版の開発パッケージ、開発環境が出てきてしかもそれらは結構リーズナブルな価格で使用できます。
ですので、これらの新しいツールの知識も習得しながら、さらに「使いやすいシステム構築」のご提供を目指したいと考えています。
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