入力に関するこだわり
2013年から高知でユーザーとお話ししながらシステムの構築を再開した私は、最初は正直なところ何も考えずに単に「手入力を止めてシステム化で効率化を図る」くらいの軽い気持ちでこの仕事を始めました。
ところが当たり前ですが、実際に色々な現場で色々な方の声を聴くと、システム化に対して否定的な声が沢山聞こえてきました。
今思い出すと当時の私は、そのような言葉に対し有効な手段を持ち合わせていなかったのだと思います。前職の積善会にいた頃はシステムズ・エンジニアとしての活動は続けていたものの、そのようなお客様に寄り添うような提案は正直できていなかった気がしています。
そのような私のマインドを変えてくれたのが、こうち静脈ケアクリニックの小田先生の言葉でした。小田先生は、開業直後からの客様なのですが、最初kintoneでシステムのご提案をしていたところ、どうしてもカストマイズが必要な要求をお持ちでした。
実は私は会社を始める時から「開発にはkintoneを使おう。でもカストマイズは受けないでおこう」と考えていました。
そのカストマイズは比較的簡単なもので、画面上に現在時刻を表示させるボタンを付けるというものでしたが、そのときの事ははっきりと覚えています。
やはりその時はまだ始めたばかりで不安もあり、「お客様を失いたくない」という気持ちが大きかったわけですが、小田先生の「使いにくいシステムはだめですね」という言葉が私の考えを変えたというか、「良い方向にひっぱってくれた」と今では感じています。
そしてその時から「使い易いシステム」が私のシステム構築のテーマとなりました。(今思うとあまりに当たり前で、少し間抜けな気もしますが…)
使い易いとはどういうことかをもう一段具体的に言うと以下の4つだと感じています。
- なるべく入力に手間をかけない(沢山キーボードを打たなくて済む)
- その業務の動線に合った画面構成
- 他システムとの連携がスムーズであること
- 一旦入力したらその情報は入力不要であること
特にシステムを構築する上で大切なのは「データの入力」ではないかと思います。
ここに最も時間がかかり、重要な情報の場合異なるシステムで似た情報を転記、あるいは複数回入力する事も間々あります。
なので、私は今では新しいシステムを構築する場合、「とにかく簡単に入力出来て、一旦入力したらOK。他システムへのデータ連携も簡単であること」を心がけるようになりました。
その後入力を簡単にするための色々な技術やテクニックは自分で思いついたのもありますが、ほとんどはお客様のアイデアや、会話で得られたヒントから実際動くシステムとして作成しました。
そして今の今感じていることは、スマホとChatGPTによって入力がガラッと変わるのではという感覚です。
ChatGPTのお話しで出てきましたが、今OCRの技術も進み、さらにChatGPTでOCRによって取り出された文字列に対し、簡単にその文字列の意味をタグ付けすることができるようになってきました。
入力は「スマホ撮影でOK」な時代がすぐそこに来ている気がしています。
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