社内SEやってみませんか?(3)

前回は、身近なものから小さく始めてみませんか、という内容でお送りしました。
今回は、SEとして活動するために大切な考え方をご紹介します。

最初は——「論理的に考える」です。

特にこの考え方が重要になるのは、ある業務をIT化しようとする場面です。
その際に必ず考えるべきなのが「費用対効果」です。

業務をIT化しようとすると、単純に「作業時間を短くしたい」と考えがちです。
しかし、その業務を「費用」として捉えると、考えるべき要素は時間だけではありません。

・その業務に関わる人数
・その人たちの給与
・場合によっては使用している機器の償却費

こういったものも含めて考える必要があります。

そしてIT化を行う場合、仮にあなた自身が開発を行うのであれば、
あなたの開発時間もまた「費用」となります。

さらに、PCやスマートフォン、タブレット、Wi-Fi環境、ソフトウェアや各種サービスを新たに導入する場合、それらのコストも当然含まれます。

その上で、

(IT化前の業務コスト − IT化後の業務コスト) > IT化にかかるコスト

となるのであれば、そのIT化には価値がある、という判断になります。

基本的にSEの仕事は、目の前の業務を数値化し、比較することです。
その尺度として最もよく使われるのが「お金」や「時間」です。


次に重要なのが「コミュニケーション」です。

IT化は、必ず業務の変化を伴います。
そして多くの場合、人は変化を好みません。

特に、長年同じやり方で業務を続けてきた人ほど、その傾向は強くなります。

そのためSEの重要な役割の一つに、
(今風に言えば)IT化のメリットを関係者と共有する、という仕事があります。
昔であれば「説得する」と言われていた部分です。

もちろん、その前提として、
業務に関わる人たちが何に困っているのか、何に不満を感じているのかを丁寧に聞き取ることが必要です。

私自身、IBMに在籍していた頃(特に20代の頃)に、
「SEは黙々とプログラムを書くプログラマーとは全く違う」
とよく言われました。

実際その通りで、SEは人と会話しながら仕事を進めます。

現場の人たちと対話し、
「どこに問題があるのか」
「どんな仕組みがあれば楽になるのか」
を一緒に考え、最終的に「楽になった状態」を共有することが求められます。


最後に「ユーザーの立場で考える」です。

私はこれを「使いやすいシステム」という言葉で捉えています。

たとえ機能的に正しく、今までの業務をすべて代替できるシステムであっても、
使いにくければ結局使われなくなります。

そうなれば、せっかくの開発の努力も無駄になってしまいます。


ここまで挙げた3つの考え方は、
長年この業界で働いてきた中で、私の中に強く根付いたものです。

何かを改善しようとするとき、
私は必ずこれらを意識しながら、システム化の提案や開発を行っています。

投稿者プロフィール

柳井康伸

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