社内SEやってみませんか?(4)
前回は、SEとして活動するために大切な考え方についてお話ししました。
今回は、もう少し現場に目を向けて、よくある社内の問題について考えてみたいと思います。
地方の中小企業や病院、クリニック、介護施設などでよく見られるのが、
手書き文書の多さと入力作業の多さです。
ここで言う「入力作業が多い」というのは、単に件数が多いという意味ではありません。
担当している人数に対して、明らかに負担が大きい、という意味です。
では、これらはどのような問題を引き起こすのでしょうか。
一つは、情報共有の遅れです。
もう一つは、本来の業務時間を圧迫することです。
「入力作業も自分の仕事です」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かに、一昔前であればそれでも成り立っていたと思います。
しかし、今の状況はどうでしょうか。
新しい人材はなかなか入ってこない。
売上は大きく伸びない。
それでいて、コストは簡単には下がらない。
そのような環境の中で、今までと同じやり方を続けていて、
組織として成り立ち続けるでしょうか。
この話を突き詰めると別のテーマになりますので、
今回は「情報共有」と「データ入力」に絞って考えてみます。
例えば、複数の拠点を持つ団体を想像してみてください。
ある拠点で問題が発生し、それを全体で共有する必要があるとします。
このとき、紙の報告書を書いて、決まったルートで回覧するという方法では、
全員に情報が行き渡るまでどれくらいかかるでしょうか。
組織の規模にもよりますが、少なくとも「その日のうちに全員が把握する」ことは、
難しいケースが多いのではないでしょうか。
「緊急時は電話で連絡するから大丈夫」という声もあると思います。
確かにそれは一つの手段ですが、
それはあくまで“例外的な対応”であって、日常の仕組みではありません。
もう一つ、身近な例として出退勤の記録を考えてみます。
職員は毎日、出勤・退勤を何らかの形で記録します。
そのデータは給与システムに渡り、さらに会計処理にも影響します。
この一連の流れの中で、
もし途中に手作業での転記や再入力が含まれていたとしたら、
それもすべて「入力作業」の一部です。
私がここで言っている「入力の手間」とは、
単に画面に文字を打ち込む作業だけではありません。
データが最終的な処理にたどり着くまでの過程で発生する、
すべての手作業を含んでいます。
そして、そのような作業を日々繰り返している人が、
あなた自身であったり、あなたの周りにいたとしたら——
それは、その人の本来の能力を十分に活かせている状態と言えるでしょうか。
私はよく、「その担当者の本業は何か」を考えます。
そして、少なくとも
「入力作業」や「情報の単純な伝達」そのものが本業であるケースは、ほとんどない
と考えています。
もちろん、「それが自分の役割だ」と考える方を否定するつもりはありません。
そういう考え方も一つの在り方です。
ただ、もし組織全体として考えたときに、
多くの人がそのような作業に時間を使っているのであれば、
そこには改善の余地があるはずです。
これからの時代、中小の企業や団体が世の中と競争していくためには、
こういった部分の効率化は避けて通れません。
そして、まさにこの領域こそが、
社内SEが力を発揮する場面だと私は考えています。
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