私の使用する業務効率化のための道具立て(その3)
今回はTableau(タブローと読みます)のお話です。
私がTableauに出会ったのは、2016年でした。
その当時私は、社内で色々な状況を説明するために便利なツールを探していました。
正直、Excelでもよかったのですが、私自身が「BI」(ビジネス・インテリジェンス)という分野に興味を持っていて、「お手軽にグラフや表を作成するツールは無いか」と探していた時期でした。
Tableauは、現在はSalesforce社の製品ですが、当時はTableau社の製品でした。
偶然にもネットで見つけ、試用版を使ってみると思いのほか使いやすかったのと、値段もリーズナブルだったので購入しました。
最初は社内で使い始め、販売管理システム(当時販売王を使用)から出力される売り上げのCSVファイルを入力として、毎週の売上レポートを作成し会社の状況を社員と共有するために使用していました。
その後もしばらくは、うちの会社が経営していた病院内の売店での売り上げ分析や色々なアンケート調査結果分析に使い、売上と同様に社員と会社の情報を共有する目的で使用していました。
その後、「お客様(細木病院)もきっとこのようなニーズはあるはずだ」という事で、いくつかの部署にTableauを使ったサービスを提案しました
面白い事に最初にTableauを使ってサービスを提供したのが、「人事システムの開発」でした。
元々あった人事システムが古くなり、私が開発を請け負ったのですが、人事システムなので、各個人、グループについて色々なレポートを出力する必要がありました。
開発に入る前に、「何を使って開発するか?」と言う話になりました。その結果「FileMaker」を使う事になったのですが、その人事システムでは十数種類のレポートを作る必要がありました。
それで、これらのレポートをFileMakerで一から作成するより、Tableauを使用した方が簡単ではないかと考えました。そして開発に入る前にお客様からの依頼のレポートを試しにTableauで作成したところ、1つのレポート以外は全てTableauで作成する事を承諾いただきました。
ちなみにその1種類とは「職員のマスター情報をそのまま印刷する機能」です。Tableauをご存じの方には納得いただけるのではないでしょうか?
結局、入力処理の部分をFileMakerで作成し、1種類のレポート以外全てTableauで作成したレポートを組み合わせて、人事システムとしてご提供しました。
その当時(今も?)Tableau自体は直接FileMakerのデータにアクセスできませんでした。
それで、レポートを出す時は、直前にFileMakerの機能で条件を設定して、CSVファイルを決められたフォルダに書き込み、Tableau側も同様に決められたそのファイルをリフレッシュして読み直すという仕組みでした。
それ以降もTableauで以下のようなサービスを提供しました。
- 病院活動の原価計算
- 谷病院様「ヒヤリハット分析」
- 谷病院様レセコンデータからのレポート作成
- 谷病院様スタッフ業務分析
- こうち静脈ケアクリニック様静脈瘤データ分析
そしてこれらのプロジェクトでTableauを使う事で私自身も色々な学び、気づきを得ました。それらは…
1.2023年の10月でもまだまだ地方の中小企業では、状況を可視化(データからグラフ化する)して、関係者で共有するという「文化?」は根付いていない。(特に社員全体で共有するという意識⇒これは批判ではありません。各社色々な事情があります)
2.何かしらのアプリを構築する場合、そのアプリに中途半端にレポート機能を持たせるより、アプリのデータをエクスポートしてTableauのような分析ツールで見る方が、開発効率が良いシステムができる。
3.可視化の9割は棒グラフで事足りる。(あくまでも地方の中小企業様でのケースです)
4.問題はTableauが処理できるデータ形式を整えるのに時間がかかる。(もちろんPrepのようなETLツールもあって便利にはなっていますが…)
そして最近の私の悩みは「これからもTableauを使い続けるか」です。
TableauDesktop(Tableauのデータからレポートを作るコアの部分)の価格は現時点で月額9,000円です。(https://www.tableau.com/ja-jp/pricing/teams-orgs)
その1で申し上げた通り、私の道具立てにはExcelが入っています。
もともとは「どんな会社でもExcelは使用している」ので、お客様とお話しする時もデータの入力ツールとしてExcelをその提案の中に入れてお話しすることが多かったのですが、そこから何かしらのレポートを作りたい時Excel自身の持つ表・グラフ作成機能を使うのは当然の流れと言えます。
そして地方中小企業・病院の情報を可視化するためには、対外は棒グラフで事足りる…
現時点では、お客様から何かの状況の調査分析について問いかけがあった場合、データをお借りしてTableauを使ってレポートをご提供しています。
ただ正直今のところ、この価格に見合うほど使う場面がありません。
(仕事とって来いよと言う話かもしれませんが…)
私がサポートしているお客様のサイズだとExcelで十分かもしれないと感じる時が多々あります。
しかし、一度道具に慣れてしまうと、それを手放すのはなかなか難しいものです。
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